マツのみらい商店

大人も子供も楽しく学びあえる場作り=21世紀の学びを日々研究。日本で唯一の北欧流ビジネスデザインアカデミアLeare Academyの1期生。真剣な課題を面白く、面白い課題を真剣に。 年中夢求で営業中です。

学び続ける時代にやった方が良い科目3選

 

 

【本日の目次】

 

①変化の激しい時代に叫ばれる「シンギュラリティ」

バズワード(世の中でめちゃくちゃ流行った言葉)として有名な

「AI」「シンギュラリティ」という言葉たち。

今、世の中的には相変わらず「AIが人間の仕事を奪う!」的なことを煽る

そんなメディアが多いと思うのですよ。まあ不安を煽った方が物が売れる…

みたいなことを考える人は相変わらずいますからね。

変化が激しい時代であることは確かですが、シンギュラリティなるものが

近未来やって来るのか?結論、一般的に想像されているものは来ませんね。

あれはただの煽りです。本当に。そしてそれを鮮やかに(?)論じているのが

新井紀子さんのAI vs. 教科書が読めない子どもたちなんですね。

本の帯にもがっつり書いてあります。

 ◆シンギュラリティが到来する?到来しません!

 ◆AIが人類を滅ぼす?滅ぼしません!

 ◆AIが神になる?なりません!

みたいな。まあ確かに神は言い過ぎにもほどがありますね…(笑)

AIというものが、そもそもどういうものなのか?

これをわかりやすく前半で語ってくれているのです。

端的に言えば「AIとは原理的には計算機に過ぎないのですよ」といった主張。

これはまあ正しいのかもしれませんね。

 

②圧倒的に足りない読解力・対話力・自分の言語化

この本は前半と後半で趣がガラッと変わります。超要約すると

「AIが仕事を奪うっていうか、そもそも人間力が落ちているから仕事できなくね?」

「日本の教育がAIで代替できるような均質化教育してきたのがヤバい」

と、こんな感じです。やや強引な書かれ方をしているところもありますが

ガッツリ教育に関わっていると、この考え方に共感できる方は多いと思います。

ボクももちろんその内の一人。

日本は特に戦後以降、「重厚長大」「大量生産・大量消費」に合うような

そんな人材育成を目指し、そのための教育をあらゆるところで施そうとしました。

マス・メディアもそういった影響から生まれたものの一つでしょう。

「みんな同じで・シンプルで・早く・たくさん」

こんなものを目指したわけで、今本当に考えるべきは

こうしたコンセプトならばtech&AIの方が得意であり、

得意なやつに得意なものを任せた方が何かと良いわけです。そうすると

「人間が今までのままならAIが変わった方が早いし適役だよね」ってことなんです。

特に日本人は「代替されやすい特性」を持ってしまっているんですよね。

ここが問題。

さらには代替されにくいはずの、つまり計算では解決しにくい分野が弱くなっている。

それが「読解力・対話力・自分の言語化」だったりするのです。

さて、それらはどうやって身につけて行けば・学んで行けば良いのでしょう?

 

③やった方が良い!其の一:アート&デザイン

ボクが敬愛する落合陽一さん。

2018年はたくさんの本を出していらっいましたが、その中でも

一番「俗っぽい」と感じた本(ここではいい意味で使っています)が

0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書

なのです。こちらには多くの方にわかりやすく「未来に必要なものは何か?」が

書かれていたりします。敬愛と言っても盲信しているわけではありませんが、

ボクなりにこれまで教育体験とこの本を読んだ感想から

「こういう力を蓄えておくと、考えておくと便利だよなぁ」と思うもの、

それを3つ上げていきます。その一つめはArt&Designです。

科目で言うならば美術ですかね。

あ、ちなみにボクは美術とかまともな成績とったことがありません(笑)

ここでは「学校の成績を上げるため」と言う意味での必要ではありません。

なので別に「うわぁ、苦手だ…」と落ち込む必要もありません。

別に絵が上手・美術館に行くのが好き、と言うことでもないかと思います。

 ・ボクが2015年にデンマークに行って感じたこと

 ・一緒にビジネスデザインスクールでチリ人の話を聞いて感じたこと

 ・グローバルで評価を得ている企業やプロダクト

全部「デザインが素敵」とか「アートな文脈にある」と思うのです。

実際、デンマークはどこを切り取ってもデザイン性に溢れていました…

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コペンハーゲンでビジネスアイディアのワークショップをやった所。お洒落すぎやろ…

日本人は本来アートとかデザインの感性が豊かな民族だと思うのです。

「余白」とか「間」とか。

 

こう行った「計算では出しにくいもの」「時間と手間暇をかけるもの」には

意識的に時間を使うと良いです。

綺麗なものを見る・美味しいものを食べる・あれこれ手を動かして見る。

そして感じたことをじっくりと味わって見る。そうやって身体性を高めていく。

アートやデザインで知る「遊び」「余白」にはすごいインパクトがあると思います。

 

④やった方が良い!其の二:国語

落合さんの本というと「理系」「テクノロジー」というイメージが強いかと思います。

もちろん理系的です。そして理系的な科目をやった方が良い、と思われがちですが

ボクはもう少し国語的素養を、今英語で流行りの四技能に合わせて学ぶこと、

これがとても大事な気がします。(実際、落合さんも大切と仰っています)

例えば現状の入試制度において、国語でヒアリングの問題が出るとか

グループディスカッションが重要視されることはないのですが、

外国に行くと特にディスカッションは極めて重要です。あと論文やエッセイ。

落合さんの冒頭の書籍にも書かれていますが、日本の教育における成績評価制度で

なんともイケていないのは「5段階・100点満点的評価」であること

つまり「6段階より上はなく、120点も存在しない」ということは

その子の潜在能力は自動的に・絶対的に遮断されてしまう仕組みになっている。

ここが大きな課題です。これが諸外国だと書いた論文・レポートの数で

成績評価されたりスコアリングされるので、100点以上も当然存在します。

そこは「優れた才能を拾いやすい制度や仕組み」があるのです。

ゆえに本も読むし、対話もするし、自己表現にも長けてくる。

考えてみれば当たり前ですよね?民族性というか、仕組みがそうなんだから。

でもグローバルであればこそ、こう行った力が必要なのは間違いありません。

だからこそ自分の国の言葉を学ぶ。自分の国の宗教や民族に興味を持つ。

そして自分なりに考えたことを、とりあえず言葉にしてみる。

食い違った意見の「なぜ?」を探求して、また問いを立てる。

こういう作業が大切であり、そのためにも国語を学ぶことが大切なのです。

 

⑤学んだ方が良い!其の三:道徳的な何か

冒頭のこうみくさんのツイートはとても未来を示唆しているなぁと感じます。

そしてこれこそ、今まであまり脚光を浴びてこなかった

(というか、教育の世界で本格的に研究されてこなかった)

そんな分野なのだと思います。協力してもらうスキル。

「ありがとう」を言えること、「ごめんね」が言えること。

そして相手を気遣うこと。以前ボクはこんな記事も書いています。 

mirai-syouten.hatenablog.com

 この中にもある「社交性」ってすごい大事ですよね。

でも現状は科目指導で学ぶ場・学ばせる場が無い。

で、今のところ比較的近いニュアンスなのは「道徳」なのかなぁ…と。

実はボク自身、まだ「科目」に寄せていくとここはしっくりこないんですけどね。

一番近いのは道徳。で、本当に学ぶべきは人との向き合い方とか

「どうやってみんなで協力していくか?」「どうやって感情に寄り添うか?」

こういうことをなるべくちびっこのうちから学ぶことに、

後々大きな意味を持ってくると思います。

 

さてさて、いかがでしたでしょうか?

学ぶことは星の数ほどありますが、その全てを考えた時

未来に有利なのは上記の通り

「各々違っていて・複雑で・時間がかかる・ほんの少しのマニアックなもの」

これを自分なりに納得して選ぶ。そしてそれを学び続ける。

これができた人は、まず未来が不安になることもなく楽しく夢中でいられます。

そのためにも上に書いた3科目、とりあえず大切にして見てください。

同じ「3科目をとりあえず」でも数学・英語・国語を皆と同じようにやるより

100倍効果があるはずです(笑)

 

ではでは!