もうすぐ秋!マニアックな節句 〜重陽の節句とは?〜
もうすぐ夏が終わります…
色々な学び、遊び、気づきがあると人は豊かになりますが
その中でも「季節の行事を楽しめる」というのは日本人ならでは。
そしてこういう季節の伝統行事に触れて感性を高めていけると良いですよね。
「日本に生まれて良かったー!」っていう感じ方も良い(笑)
でも、今って季節感を味わうとか、季節の行事に触れるとか減りましたよね?
というわけで今回はその中でもちょっとマニアックな「節句」についてのお話。
では行ってみましょう!
【本日の目次】
①「節句」ってどんなもの?
日本の季節感を細かく丁寧に書いてくださっているのはこの本が一番です。
日本は春夏秋冬の4つだけではなく、24等分した二十四節季、
そして72等分した七十二候というのもある、というのを詳しく書いてくれています。
イラストもあって流し読みするだけでも「へぇ!」となるので是非!
今回はそこまで細かくマニアックではないけれども知っておきたい豆知識として
「五節句」をご紹介。
五節句とは唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のことです。
(コトバンクより)
ちなみになぜ中国の暦法が日本で取り入れられたのか?
これはもともと大陸から文化は伝わって来やすかったのですが、
そこにもともと農耕の風習があった人々との文化的相性がよかった、
ということが考えられているみたいです。実際日本は農業が盛んでしたよね。
五節句とは以下の五つの日付
1/7(人日=じんじつの節句)
7/7(七夕=しちせきの節句)
上の4つは「あ!見たことある日付だわ」ってなるかもですね。
1/7だけわかりづらいかもですが、元旦だけは特別な日。本来節句の日は
奇数(陽)の月日を揃えているのですが、正月だけは特別なのでずらしています。
この日は別名「七草の節句」と呼ばれ七草粥を食べる日として有名です。
…まあ地域によってはこんな風習もあるのですが(笑)
②重陽ってどんな意味?
五節句にはそれぞれに名前がついていますが、それぞれ名前の由来があります。
どれも聞きなれないですが、「重陽」という言葉もあまり耳にしないですよね?
これは、元は中国の陰陽五行から来ています。陰陽五行ってこんなイメージが有名。
こういう模様見たことありますでしょ?これが陰陽五行思想のイメージ。
で、奇数=陽の月・偶数=陰の月としていたのですね。
陽=+なので、この月に豊作や無病息災を祈ったり祝ったりしたわけです。
そういえば陰の月=偶数月って季節を愛でる行事・イベントってないですよね。。。
2月=バレンタインデー?
4月=エイプリルフール?
6月=特に祝祭日もイベントもないような・・・
8月=お盆はあるけどそれ以外は特に無いような・・・
9月は奇数の中でも最も大き数字が二つ重なるので、陽の力が重なる月、
ということで「重陽」という名前がついたのですねぇ。
③この日は何をするの?
ちなみにここで「菊」となっているのは旧暦の話。今の感覚だと1−2ヶ月ほど
ずれている感じですからちょっとイメージが湧きづらいですが、
旧暦の9月は菊の花盛り。そしてこの日は主だって二つのことしたそうな。
1.菊の花を盃に浮かべて飲む
2.栗ご飯を楽しむ
一つ目の「菊の花」については長寿のお祈り。中国では昔々、桃や菊が
長寿の証でした。菊は別名「翁草」などと呼ばれていました。
翁っておじいちゃんのこと。つまりこれを飲んでおじいちゃんになっても健在で…
みたいな願いを込めていたのです。
栗ご飯は秋の豊作を祝ったり願ったりするため。収穫祭みたいな意味合いですね。
ちなみに秋は春とは別の七草があります。
こういうのも覚えておくとキャンプとか行ったときに楽しいです。
④こぼれ話:11月11日も奇数の月じゃね?何も無いの?
はいその通りです。が、この日は「冬至」にはいるので
季節の収穫のお祈り、お祝いは無かったとされています。
あとは、五節句自体制定したのは日本では江戸時代のようで、その時に
1桁の月日だけを節句として制定した、という説が有力です。
季節的に冬に入る、制定したタイミングで弾かれちゃったということみたいですね。
ちなみに江戸時代に制定した点を考えると、おそらく「季節感」みたいなものも
東京が中心。なので、例えば「桜」というと4月だったり。
でもこれって地方が変わるとかなり趣が変わりますよね。
そういう意味では日本って本当に奥深くて「細かな変化がある」国です。
地域ごとの細かな季節感の違いや変化を調べてみても面白いかもしれませんね。
さて、いかがでしたでしょうか?
今は異常気象や高度な情報社会も手伝ってか、なかなか季節の変化を感じにくい。
だからこそ、こんなものに触れて細やかな変化を意識的に感じ取るのも
風情があって面白いかもですね!
ではでは!